2014-12-27から1日間の記事一覧

貧乏学者の父が残した財産

貧乏学者だった私の父がよく言っていた。 「おまえたちに残す財産はないが、もっといいものを残してあげる」、と。 もしかすると、親が子どもに残してやれる本当の財産とは、こういうことなのかもしれない。 両親は子どもの英語の勉強方法については何もわか…

財産は人間関係

フットボールに熱中している恋人ができたとたん、フットボールに興味が沸くことがある。それまでフットボールなんか見なくても、である。人と人との出会い、これこそが心の海図を広げる一番確かな方法だという気がしてならない。 私が留学するとき、父がアメ…

アメリカ留学と貧乏旅行

「桂子ちゃんがアメリカの大学院に行くようになったらね……」 何気なく先生はおっしゃった。 (アメリカの大学院?) 遠い遠い世界の話である。 (アメリカの大学院、つて気軽に言うけれど、そんな、まさかア……) 本当に「まさか」なのだが、先生のこの一言で…

辞書を使うと挫折する

日本人が最も苦労するというのはこの大量の文章をざっと読んで理解することだという。細かく読んで「ザット以下の内容は」という具合に精読するのは得意だが、いわゆる「ななめ読み」ができないというのである。 「だからね、いまのうちからいっぱい本を読み…

アメリカの大学での苦労

言葉を「使う」ということは相手とコミュニケートすることである。相手の言っていることの文脈をとらえ、そして自分の伝えたいことを練りあげる。文脈をとらえるためにも自分の伝えたいことを練りあげるにも、材料がなくてはなんにもならない。 そういったコ…

小さい頃からの英語は必要か

小さいうちから英語に親しむ、そのこと自体は決して悪いものではないのだが、それだけで自動的に英語ができるようになると思うのは大まちがいである。 子どもは語学の天才、の正体 「どうしてそんなに英語が話せるのですか?」 この質問を私は何人の人から聞…

英語のできない帰国子女

子どもの英語と大人の英語の違いというのは、人が「さあ、ごはんよ」という言葉を理解できても「国際経済は今後どうあるべきか」などという議論が理解できないのとよく似ている。あの時点で私たちの子どもにとって「これはだれ?」「ママよ」という「文脈」…

 子どもの英語とは

子どもの英語とは何を意味するのか、一つ例をご紹介しよう。 私の子どもが英語を「しゃべった」のは二歳半のときだった。 「へえ?/」とびっくりして、二体どうやって教えたの?」と、聞きたがる。 そのからくりは、実はこういうことなのである。 子どもが…

小さい頃からの英語は必要か

小さいうちから英語に親しむ、そのこと自体は決して悪いものではないのだが、それだけで自動的に英語ができるようになると思うのは大まちがいである。 子どもは語学の天才、の正体 「どうしてそんなに英語が話せるのですか?」 この質問を私は何人の人から聞…

外国語の環境づくり

子どもが体で言葉を覚えていくのは、この例でもわかるとおり、日常生活の中でどっぷりその言葉につかりかって初めて可能になるのである。言葉をしゃべり始めたころの子どもを相手にしたことのある人には必ずや心あたりがあるだろうが、子どもはそれこそ朝起…

トリリンガルの育て方

乳幼児を対象とした英会話教室の宣伝に必ずと言っていいほどでてくるのが、次のようなうたい文句だ。 「もし、赤ちゃんが生まれた時点からお母さんが英語だけで話しかけていけば、二年後には必ず英語をしゃべる子どもに育つのです」 そのとおりに違いない。…

感性で身につける英会話

「アタマで覚える英会話より、感性で身につける英会話が、好きです」 都内にある英会話学校のパンフレットに記されたキャッチフレーズである。どれどれ、と中身を見ると、 「たかが言葉なんだから。そんなラフな気持ちで楽しんで欲しいのです。だって言葉な…