2014-06-12から1日間の記事一覧

看護師の役割

看護婦(士)の役割 緩和医療はチームで進められる。医師、看護婦(士)、ケースワーカー、理学療法土、ボランティアなど、さまざまな職種の人たちが一人の患者さんの周囲に集まってきて、患者さんのもとめに応じようとしている。つまり、末期の患者さんを中…

ホスピス

がん末期の患者さんの緩和医療に専念する施設がホスピスである。語源的には中世ヨーロ″パでゆき暮れた旅人を暖かくもてなす施設を指し、その背景にはキリスい教構神がある。現に、世界で最初にがん患者さんのためにホスピスが作られたイギリスでは、現在でも…

サイコオンコロジー(精神腫瘍学、Psychooncology)

がんであることが患者さんに告げられると、多くの患者さんは「一瞬、頭の中がまっ白になった」と表現される。その後、約二週間にわたってさまざまな葛藤が生ずるが、多くの方は元の生活リズム、構神状態をとりもどす。しかし、約三〇%の患者さんは適応障害…

精神的ケア

がんの末期における緩和医療では、患者さんの精神的ケアが症状コンいロールと同等に重要である。精神的ヶアの核心はその巫者さんを理解すること、つまり人間理解である。 「末期の患者の理解はどのようにすれば可能なのであろうか。その方法はただ一つ、患者…

疼痛コンいロール

がんで死ぬときには、「患者さんは激しい痛みに苦しめられ、それを救う方法はない」、と一般には思われている。この痛みへの恐怖と、致命率が高いことが、これまでがんという病気が特別視され、恐れられてきた理由である。しかし、がんによる痛みをコンいロ…

症状コンいロール

がんの末期の患者さんはさまざまな症状をもつ。もっとも多いのが痛みなので、痛みについてだけは、まとめて次の項で別に記すことにしたい。 痛み以外にも吐き気、嘔吐、便秘、下痢、食物がよく飲み込めない、食欲がない、口の中が乾く、口臭がある、口の中の…

緩和医療

患者さんを一つの集団として見ると、国立がんセンター中央病院の全体の治療成績では、五五%の患者さんが五年生存している。これは、あらゆる臓器がんの、あらゆる病期の非選択的に来院された患者さんを治療した結果である。もし、早期がんの患者さんばかり…

特異的免疫療法と非特異的免疫療法

がんの特異的免疫療法として確立されたものはない。メラノーマなどでぽがん特異抗原があるといわれ、治療にも応用され始めているが、その抗原性は強いものではなく、効果もまだ定まったものではない。ただ、たとえば白血病に関連する転座遺伝子AML1とそ…

免疫療法とはどういうものか

パーソンとコールという二人の米国のがん学者が、一九〇〇年から一九六五年の間に、 「間違いなくこれぽがんが自然退縮した」と思われる症例を世界中から一七六例集めて単行本にしている。これまで神経芽細胞腫、メラノーマ、腎がんなどが、自然退縮をみるこ…

化学療法と手術療法

化学療法と手術療法の組合せが有効ながんの例として卵巣がん、睾丸腫瘍などをあげることができる。卵巣は腹腔に小さい風船が浮がんでいるような臓器であるため、そこにがんが発生してもはじめのうちは症状がまったくなく、腹腔内にがんがかなり進んでがん性…

集学的治療

集学的治療 がんの代表的な治療法として手術療法、放射線療法、化学療法について記してきたが、進行がんに対してはこれらの治療法を組み合わせて最大の効果を求めることがよく行なわれる。 化学療法と放射線療法 化学療法と放射線療法の組合せが奏効する一例…

抗がん剤の臨床試験

新しい抗がん剤が製薬企業によって開発されたとき、あるいは医師が、すでに承認されている抗がん剤の新しい組合せの効果を知ろうとするとき、がん患者さんを対象としてその効果率副作用を調べる必要が生ずる。これを抗がん剤の臨床試験とよんでいるが、「試…

ワシントン州シアトルに会社を整理統合

「それはなんだね?」 ハーリンテンがきいた。 「グルジアと、きっぱり関係を絶つことだ」オナーは、にべもなく断言した。 ハーリンテンは青ざめた。研究所を初めて訪れたとき、彼はテイミュラーチャニシヴィリ、ニーナーチャニシヴィリと個人的に親睦を深め…

ロシア育ちのペプチド

「ふたつの結論がでた」ホテルの会議室で、オナーは一団にむかって陽気に言った。「第一に、ファージは、抗生物質耐性の問題に取り組むうえで、すばらしい候補者だということだ」出席者は、たがいに自己満足の笑顔を加わした。「第二に」オナーがつづけた。…

バイオテクノロジー

幸運としか言いようがなかった。その西海岸のベンチャー投資家は、意気込みをほとばしらせるように、モリスの研究室と、エリアヴァ研究所内の彼自身の新しい研究室とが共同で研究をすすめる資金の援助を申しでた。「基本的に、政府に支援してもらいたいと科…